2007年08月

2007年08月03日

すっかり忘れていたフリエさんの青春の話。
燃えるような愛と絶望のジュブナイルをお楽しみください。

過去3話を未読の方は先にこちらを。
第一話 http://lueur.blog.drecom.jp/archive/120
第二話 http://lueur.blog.drecom.jp/archive/122
第三話 http://lueur.blog.drecom.jp/archive/125




さてさて故郷カイネンの危機を知り、夢中で走り出したフリエ。
砂漠を約3ヶ月さまよってようやくカイネンへ辿り着いた。
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さぁ、カイネンを救うんだ!

ゆけゆけ奈津川フリエ!!


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しかし
街に魔物の姿はなく、人々の顔には安堵の表情が浮かんでいる。
おかしい。
おかしいゾ。

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どうやらフリエが砂漠で遭難している間にどこからともなく現れた旅人によって魔物は打ちのめされ、悪の首領も倒されたらしい。
すっかり平和が戻っていた。

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あんなに走ったのに無駄だったなんて………
許せない
どこの犬の骨かもわかんない旅人なんかに手柄を奪われた。
怒髪天を突く。


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そしてフリエの胸に濃い霧が渦巻いた。

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そしてフリエの胸に黒い薔薇が咲いた。

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そしてフリエの瞳に暗い炎が灯った。

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純粋に生きてきたフリエにとって、世界はあまりに不条理だった。
跡形も無く打ち砕かれた信念の残骸の中、愛という名のもとについに暴走を始めたフリエ。
猛り狂う黒い衝動の矛先はどこへ向かうのか。

鳴々。イスカンダルは遠い。


at 23:43コメント(4) 
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